b型肝炎の治療はetvなどによる薬物療法が第一選択

日本におけるb型肝炎の感染者は、順調に数を減らしています。

ただ、持続感染者数は110~140万人と考えられていて、世界を見ると感染者数は2億人以上と言われます。性行為などで感染する可能性があるため、注意を怠るべき感染症ではありません。

この記事では、感染してしまった場合の治療法や薬について解説していきます。

b型肝炎ウイルスへの感染機会

110~140万人と推定される持続感染者の内、40万人以上は昭和23~63年の間に同じ注射器での予防接種やツベルクリン反応検査を受けた人だと考えられています。

この人達に対して国は謝罪し、給付金を支給することを決めました。直接の感染者と、その人から生まれた子どもが対象です。b型肝炎は肝臓がb型肝炎ウイルスに感染してなる病気ですが、免疫が勝てば一過性の感染で終わります。

キャリアと呼ばれる持続感染者になるのは、数%程度の人です。その数%程度の中からさらに一部の人が、肝がんや肝硬変を患います。一過性の感染で済んだ人も、20%程度の人は急性肝炎を起こします。感染機会に遭った後、血液の中にあるHBs抗原が陽性反応を示し数週間後に肝機能が上昇、自覚症状は倦怠感や発熱、食欲不振などです。

無症状の人も少なくありません。HBs抗原が陽性反応を示すスピードは、感染機会の種類によって変わり、性行為では2~6週間後、輸血や注射針などの場合は数日~数週間後です。「関連リンク … b型肝炎弁護士 … アディーレ法律事務所

しかし、あとの80%程度の人は不顕性感染と言い、無症状で済みます。稀に劇症化する人がいますが、割合としては1%以下です。劇症化すると肝移植が必要となり、移植できない場合の死亡率は60~70%と高いです。

近年は感染予防対策が徹底されているため、注射針はもちろん、本体も1回1回処分されています。ですから、国内で感染する機会があるとすれば、性行為や介護などでしょう。血液だけでなく、体液や唾液からの感染も認められているため、ディープキスでも感染のリスクがあるということになります。

免疫が十分機能している成人では、キャリアになる人はいないと、従来は考えられていました。でもそれはb型肝炎ウイルスがb型やc型であって、a型やae型ではキャリアへ移行する可能性が高いことが分かっています。

ae型はヨーロッパ型であり、従来日本にはなかった型です。性行為の多様化が進んだことが原因だと考えられます。

b型肝炎の検査

キャリアとはずっと感染し続けている状態の人です。無症候性キャリアでも将来的に肝炎を発症する可能性は高いです。そのときは急性肝炎で済むかもしれませんが、慢性肝炎になる場合もあります。また、慢性肝炎になった人の中には、突然b型肝炎ウイルスが増殖し急激に悪化して、肝がんや肝硬変に進行してしまう人もいます。

b型肝炎の検査は血液検査が主です。血液を採取し、HBs抗原の反応を検査します。感染したばかりの時期や無症候性キャリアの人でも陽性反応がしっかり出ます。ただ、変異したb型肝炎ウイルスやたまたまウイルスの量が減っている時期などでは、見逃してしまう可能性はゼロではありません。

HBs抗原が陽性反応を示した後は、さらに詳しい検査を行うことで感染状態が把握できます。例えば、最近感染した人ではHBc-IgM抗体が陽性になり、増殖力が強いb型肝炎ウイルスを持っている人ではHBe抗原が陽性になります。

治療が必要な人

b型肝炎にかかっても、必ず治療が必要になるわけではなく、一過性感染の人では保存的治癒が選択されます。肝機能が著しく落ちている人や黄疸が出ている人では、入院治療が薦められます。急性肝炎が6ヶ月以上続くと慢性化とされるので、治療が必要です。

治療方法は、インターフェロン治療か核酸アナログ薬による治療の2種類です。

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インターフェロン治療とは

インターフェロンは感染時に反応した細胞が作り出すタンパク質のことで、b型肝炎ウイルスを排除しようとしたり増殖を抑えたりする働きを持ちます。従来人の体にある成分を投与するわけですから副作用はないはずですが、治療で投与されるのは大量なため、避けるのは難しいと言われています。

治療開始から2週間の初期には、ほとんどの人に発熱と全身倦怠感が出現、頭痛や筋肉痛が現れる人も珍しくありません。その都度解熱鎮痛剤の座薬などを使いながら対処し、体が慣れるまで我慢します。ただし、異常なまでの副作用が出た場合は中止されます。

例えば、白血球や血小板が激減したり重いうつ症状が出たりする場合です。しかし、様々な副作用が出たとしても一過性のもので、インターフェロン投与を止めれば元通りになります。b型肝炎の治療に用いられるインターフェロンは、α製剤とβ製剤です。

この2つは投与方法が異なり、α製剤は筋肉注射か皮下注射、β製剤は静脈注射か点滴静注で投与されます。注射の頻度は週1回、48週にわたって続けることになるものの、それまでにb型肝炎ウイルス量が減れば終了です。

でも完全にb型肝炎ウイルスを排除することは困難なため、半年に一度は検査が必要です。インターフェロンはb型肝炎ウイルス量が少ないほど効きやすく、効く人には効果が長続きします。一方で、満足行く結果が出ない人も少数ではありません。

核酸アナログ薬による治療とは

インターフェロンの効果が出にくい人が多いので、b型肝炎の治療の第一選択は、核酸アナログ薬による治療となっています。これは抗ウイルス薬となりますが、残念ながら強力なb型肝炎ウイルスを死滅させる効果は見込めません。

数を減らし、増殖させないように弱らせることを目的に投与します。核酸アナログ薬の種類は4種類あり、中でも優先的に使われているのが、エンテカビル(etv)とテノホビルです。テノホビルはテノホビル・ジソプロキシルフマル(tdf)とテノホビル・アラフェナミドフマル(taf)の2種類が保険適用となっています。

エンテカビル(etv)は、主にb型肝炎ウイルスだけに作用してくれます。また、耐性ウイルスを作りにくいのがメリットです。食事の影響を受ける可能性があるので、空腹時の服用が基本です。テノホビル・ジソプロキシルフマル(tdf)とテノホビル・アラフェナミドフマル(taf)もエンテカビル(etv)同様にb型肝炎ウイルスが耐性化しにくくなっています。

テノホビル・アラフェナミドフマル(taf)が最も新しく、テノホビル・ジソプロキシルフマル(tdf)との違いは、10分の1程度の投与量で良いということです。

これらの薬が効けば、数週間~半年で肝機能の改善が期待できます。と言っても薬は継続的に服用し、b型肝炎ウイルスの活性化を抑えておく必要があります。服用するのを一回でも忘れると耐性ウイルスが生まれるリスクがあるためです。

なお、薬の服用期間の目安は、数年~数十年です。